うらめ:「裏の里芽」の略。略して「うらめ」恨め、裏目ではない
自分の作品のキャラを使って、とことん悪ふざけするシリーズ
Nのねーさまとの会話から生まれたエピソードが主
うらめ その1:幽霊男が体育会系店主
五色堂主人、花京院鳳月。名前は優美でご立派だけれど、その外見や立ち振る舞いは、不気味で恐ろしい幽霊のようだ。まさに幽霊男。彼の前でお経を読もうものなら、あっという間に成仏してしまいそうだ。
そんな彼の店に、何故なのかよく分からないけれど、頻繁に足を運んでしまっている。いや、別に鳳月さんに会いたくて店に通っているわけじゃない。そんなことは断じてない。幽霊男を生涯の伴侶に決めるほど男に困っているわけでは……ない……はずだ。
坂の上にある五色堂。ごしょくどうではない、ごしきどうと読むのだ。
私は、いつものように入り口の戸を開けようとした。すると……。
ドドドドドドドドドドドド……
店の中から、何かが猛スピードで走っているかのような大きな音が聞こえてきた。その音は、どんどん近付き、そして。
ガラガラドンッ!!!!
そりゃあもうものすごい勢いで戸が開いた。
「いーらっしゃいませ〜〜〜!!」
「ぎゃああーーー!?」
何故私が叫んだのか。
想像してみるがいい。
戸の隙間から一人の男が顔を出している。その男の顔は真っ青で、頬はこけている。やや長めの髪の毛は乱れに乱れ、顔を隠す。その髪の毛の隙間からのぞく目は死んだ魚のようで、その下には隈がうっすら浮んでいる。
体力皆無のくせに全力疾走したものだから、ぜえぜえと息を切らしており、肩が上下運動を繰り返しているという様子を。
そんな姿を見れば、誰だって叫ぶ。
「いらっしゃいませ! 瑠璃さん! さあ、どうぞ店内をごらんくだ……ぐはあっ」
ドベハッという効果音と共に吐血!いやあ、血が!血が服にかかる!いや、そういう問題じゃないー!!
「ちょっと鳳月さん! 怖い、怖いですから! なんで今日はそんなやる気満々なんですか!!」
「それはでぐ……舌噛んだ! 痛い、痛い痛い!! だけど、こんなことでくじける花京院鳳月ではない! 頑張れ自分、これができねば夕日に向かってダッシュですよ!!」
「いや! なんか熱血!? 病気、病気なんですね!? インフルエンザ!? それとも変なキノコ食べたんですか!?」
「私は馬鹿なのでインフルエンザなどにはかかりません! キノコはここ最近食べた覚えがありません!! 生まれ変わった花京院鳳月をよろしくおねがいします、瑠璃さ……げほんげほんごぼはっ!」
咳と吐血のコンボ技!いや、手で血をぬぐうな、やだ、なんか獲物の肉を屠った後のライオンみたいなことになってるー!
これは逃げなくてはいけない!
逃げますか?
→はい いいえ
「それじゃあ、さようなら!!!」
「逃がしませんよ!」
がしっ
血をぬぐった、骸骨のような手で私の右腕を掴んできた!
瑠璃は、逃げられない!▼
「いや、こんなの鳳月さんじゃない!」
「瑠璃さん、よくおっしゃっていたではないですか、もっと店主らしくしろって! これからは私、店主っぽくなりますよ!」
「店主っぽくなってません! なんか、ますます幽霊に近付いているんですけど!?」
「それならば、幽霊系体育会系店主と呼んでください!」
「系って二回いってます!」
「はっ、日本語なんてくそくらえです!」
「貴方、日本の色と伝統を愛する男じゃなかったんですか!」
「私は今日から文化人間ではなく、体育会系人間になるのです! 今日は腕立て伏せ0.五回と、反復横とびを五回やりました!」
「0.5ってなんですか!? 視力検査ですかそれ、というか反復横とび五回って、意味ないじゃないですかっ」
「細かいことは気にせず、さあ、店の中へ〜〜」
ああ、幽霊が私の腕を引っ張っていく。ああ、冥府に続く扉が開かれ、私は……
それから後のことは、よく覚えていません。
結論:鳳月さんは、幽霊男のままがいい